第1回 7月14日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- 「近代わが国のキリスト教指導者の幸福観形成について-内村鑑三、賀川豊彦、岩下壮一の生き方を通して-」
発表者/ 聖カタリナ大学 教授 平野 信喜
明治期にキリスト教が欧米から再導入された。当時に指導者がどのようにキリスト教で幸福観を形成したかを知ることは現代の我々の指針ともなる。それを指導者である内村鑑三、賀川豊彦、岩下壮一の生き方から探ることにする。
- 「日本における信教の自由の保障―憲法論の視点から―」
発表者/ 聖カタリナ大学 教授 山本 克司
日本国憲法の下において、政教分離がどのようになされているかについて、最高裁の判例を参考にしながら憲法学の視点から検討する。特に、キリスト教が問題となった自衛官合祀訴訟、靖国神社玉串訴訟を重点的に検証する。
第2回 10月27日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- 「日本人とキリスト教の倫理」
発表者/ 聖カタリナ大学・短期大学部 学長 ホビノ・サンミゲル
日本人は長い伝統とすばらしい文化を築き、習慣と宗教の思想に基づいて固有な倫理を実践してきています。しかし信者になればキリスト教の信仰と倫理を受け入れる必要があります。その新しい生活のあり方について考えてみたいと思います。
- 「日本思想とキリスト教哲学 -日本の中世キリスト教哲学の研究現況を中心として-」
発表者/ キリスト教研究所 客員所員 兪 鐘 弼
長い歴史を持っている西洋中世哲学はキリスト教哲学であったが、近代の啓蒙主義の思想による激しい批判を受けた。今、日本において中世哲学を研究するのはどのような意味があるか。また、日本でどのくらい研究されているのか。それを考察する。
第3回 11月24日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- 「ザビエルの生きた道に学ぶ」
発表者/ 聖カタリナ大学短期大学部 教授 後藤 恭子
日本に最初にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエル、「東洋の使徒」として多くの人に親しまれている聖人の生きた道をたどり、現代における宣教についてもう一度考える機会としたい。
- 「巡察師ヴァリニャーノの順応政策と日本における歴史的意義」
発表者/ キリスト教研究所 客員所員 田中 正史
ヴァリニャーノが順応政策を実現しようとした理由、及び彼の政策の成功の条件について考察し、その観点からキリスト教の日本からの追放の真の理由について考察する。
第4回 12月15日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- 「日本人と個人の尊厳」
発表者/ 聖カタリナ大学 教授 飯田 榮
昨年のフォーラムでは、現代日本における「つながり」の崩壊をとりあげた。今年は、個人の尊厳に焦点を当て「尊厳とつながり(連帯)」について考え、いま一度善く生きるための価値観の確認をしたい。
- 「青少年を取り巻く社会と信仰宣言」
発表者/ 聖カタリナ大学 准教授 佐々木 裕子
カトリックの信仰を持っている青少年たちは、キリスト教的な環境でない日本社会で何を感じて生きているのだろうか?職場、学校で自分の信仰を表明できるのだろうか?一人ひとりが宣教者としての使命を持っているキリスト者が日々の生活の場で、どのようにその機会を生かしているのか探ってみる。
第5回 1月26日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- 「日本におけるドミニコ会のフロンティア」
発表者/ 聖カタリナ大学 准教授 宮武 信枝
ドミニコ会が向かう「五つのフロンティア」に、諸宗教、諸文化、キリスト教諸派と他の宗教運動、世俗主義等による挑戦と対話が含まれている。日本人のドミニコ会の一員としてその課題を意識しつつ、対話の契機を探求していく。
- 「ある日本人の回心をめぐって-土居健郎の場合-」
発表者/ 聖カタリナ大学 講師 安藤 浩範
私は一昨年の本フォーラムにおいて、自分自身の洗礼・堅信体験についてお話させて頂きました。今回はそのきっかけにもなった土居健郎先生の信仰遍歴とカトリックへの改宗めぐって、私なりにお話したいと思います。
第6回 2月23日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- 「典礼音楽の変遷を紐解く?-キリスト教音楽が日本にもたらしたもの-」
発表者/ 聖カタリナ大学 准教授 藤井 澄子
明治の文明開花で西洋音楽が導入され、唱歌教育の基となったのはキリスト教音楽である。昨年の岡野貞一に引き続き、明治初期の西洋音楽導入にあたり活躍したキリスト者について報告し、西洋音楽化について出版されている文献等を紹介しながら、日本人と西洋音楽の関係性や当時の日本の音楽教育について考えてみたい。
- 「キリスト教巡礼と日本人-長崎の教会群とキリスト教関連遺産 その2-」
発表者/ 聖カタリナ大学 教授 藤沢 真理子
日本人にとって、長崎はキリスト教巡礼地として重要な意味をもつ。昨年度は現在世界遺産暫定リストの「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」について述べたが、今年度も引き続き長崎のキリスト教巡礼地について報告したい。