第1回 10月24日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- テーマ「日本の信教の自由と政教分離」
発表者/ 聖カタリナ大学 教授 山本 克司日本における信教の自由は、憲法20条で保障されている。今回は、信教の自由の法的構造と信教の自由を担保する政教分離について、憲法学(人権論)の先行研究と判例を題材にして検討したいと考える。
- テーマ「信仰と自由 ―恩恵論を媒介にして―」
発表者/ キリスト教研究所 客員所員 田中 正史プロテスタントは人間はただ「信仰のみ」によって生きるべきであると考えるのに対して、カトリックでは自分の自由を発揮すべきとして両者の恩恵についての理解は異なる。今回は信仰と自由の関係について考察する。
第2回 11月14日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- テーマ「信仰と理性の問題―トマス・アクィナスにおけるキリスト教信仰と理性の調和を中心として―」
発表者/ キリスト教研究所 客員所員 兪 鐘 弼今日、神と人の間、特に、人間において、「信ずること」と「知ること」の間には、理性と信仰、神学と哲学などのさまざまな形で対決している。信仰と理性は、調和するのができないのか。 ここには、信仰と理性の調和を求めたトマス・アクィナスの思想を考察してみる。
- テーマ「第2バチカンにおける新しいヒューマニズム」
発表者/ 聖カタリナ大学・短期大学部 学長 ホビノ・サンミゲルバチカン公会議が開かれてから半世紀経ちました。バチカン公会議の大きな目的は、教会の現代化と刷新でした。その時からカトリック教会は新しい時代に入り、世界と対話し続け、信仰の生き方について多様な道が開かれました。バチカン公会議から始まったその新しいヒューマニズムについて論じたいと思います。
第3回 12月12日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- テーマ「 「いのち」をめぐって」
発表者/ 聖カタリナ大学 教授 飯田 榮自分自身の「いのち」の始まりに関しては関与できない。しかし、多くの場合その終焉に関しては関与できよう。「死」を視座として日本人の現況やカトリック教会の教えを取り上げ「いのち」の意味に目を向けたい。
- テーマ「植物のイコノロジーと宗教教育 」
発表者/ 聖カタリナ大学短期大学部 助教 竹田 信恵信仰の伝達手段として活用されていた宗教画の教育的機能について検討し、宗教心性の希薄な日本社会での子ども向宗教教育教材としての植物図像の可能性について考える。
第4回 1月23日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- テーマ「行いと共に働く信仰-カンボジアのガンジーに聴く-」
発表者/ 聖カタリナ大学 准教授 佐々木 裕子「行いが伴わないなら、信仰はそれだけでは死んだもの」(ヤコブの手紙2.17)。行いの伴わない信仰は役に立たない。カンボジアのガンジーと言われる僧侶マハ・ゴサナンダ師は、ポル・ポト支配下、荒廃した祖国で、仏教復興と国民融和に尽力した。苦悩に満ちている人々の中にこそ寺を見出し、出向いていく。信仰の実りを開発僧の中に見出す。
- テーマ「精神療法と信仰」
発表者/ 聖カタリナ大学 講師 安藤 浩範私はこれまで精神科病院を中心に、多くの精神病患者と接してきた。現在も、学生相談室の場で学生たちの心の闇に接している。そこには精神療法という枠組みが存在するのだが、果たしてそれだけで患者や学生の「心の闇」に向き合えるのだろうか。私の精神療法に内在する信仰について考えてみたい。
第5回 2月20日(水) 16:20〜18:00 第一会議室
- テーマ「福音に根差し、根を下ろす信仰」
発表者/ 聖カタリナ大学 准教授 宮武 信枝ドミニコ会士A・ノーランによる福音の「コンテクスチュアリゼーション」の霊性に基づき、社会において福音に根差す信仰、社会の中で根を下ろす信仰のありようについて考察する。
- テーマ「信仰を支える典礼〜典礼音楽から届くもの〜」
発表者/ 聖カタリナ大学短期大学部 教授 藤井 澄子ミサで歌われる『典礼音楽』には、ミサ曲として7曲が収録されている。私たちがミサのたびに用いているこれらの曲について深く吟味し、信仰の支えとして歌うことができるように、その旋律には作曲者のどのような願いが込められているのかを紐解いてみたい。