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令和2年度 人間文化研究所フォーラム

日程
令和2年9月30日(水) 〜 令和3年2月10日(水)
会場
聖カタリナ大学 北条キャンパス 第一会議室
主催
聖カタリナ大学 人間文化研究所
お問い合せ
お申込み

聖カタリナ大学人間文化研究所では、次の内容によりフォーラムを開催いたします。

なお、今年度はコロナウイルス感染防止対策のため、本学関係者のみの参加とさせていただきます。

お問い合せ Tel089-993-0702 (総務課)

《第1回 9月30日(水)  16:30~18:30 第1会議室》

  • テーマ 「聖トマス・アクイナスにおける真理の思想
    発表者/ 聖カタリナ大学・短期大学部 学長 ホビノ・サンミゲル
    真理を知ることは善を知ることです。善は人生の幸せの始まりです。私たちは、真実を語る社会で生活をしたいと思います。しかし、今私たちは過剰な情報で溢れており真実を識別することが難しくなっています。真理とはなにか、それについて聖トマスの思想を巡って考えたいと思います。
  • テーマ 「児童養護施設におけるリービングケアとアフターケアの現状と課題-レジデンシャル・ソーシャルワークとの関係性―」
    発表者/ 聖カタリナ大学短期大学部 助教 宮崎 正宇
    近年、児童養護施設では、高年齢児童の入所が増加していることから、「自立支援」が大きな課題になっている。そうした背景を考慮して、本研究の目的として、社会福祉士の立場から、児童養護施設での自立支援を長期的視点で考えていくため、リービングケアとアフターケアの現状と課題に着目し、その連続性とレジデンシャル・ソーシャルワークとの関連を施設職員の意識も含めて可能な限り明らかにすることとした。今回は、その調査結果を報告する。

《第2回 10月28日(水)  16:30~18:00 第1会議室》

  • テーマ 「大学教養体育におけるサーキットトレーニング、ストレッチを用いた授業内容の検討
    発表者/ 聖カタリナ大学 助教 中川 雅智
    大学における教養体育は、大学やその後の人生を健康に過ごすために必要な運動の効果を実感する大事な機会であると考えられる。しかし、大学によってはその実施について様々な工夫が求められることもある。今回、本学の教養体育を担当し、授業内容についていくつか工夫を行ったのでその報告を行う。
  • テーマ 「男性同性愛者の肯定的なアイデンティティ形成過程
    発表者/ 聖カタリナ大学 助教 高藤 真作
    近年,各自治体でパートナーシップ条例ができるなど性的マイノリティへの関心は高まりつつあるが,当事者は以前残る差別や偏見、異性愛社会で暮らすことへのストレスを抱えている。同性愛者としての肯定的なアイデンティティ形成が当事者の精神的健康に繋がることが指摘されており、本発表では当事者が、自らが同性愛者であることをどのように受容してアイデンティティ形成を行っていくのか、その過程を紹介する。

《第3回 11月25日(水)  17:30~19:30 第1会議室》

  • テーマ 「発米国のMilitary Social Worker養成カリキュラムの我が国における援用に関する一考察」(仮)
    発表者/ 聖カタリナ大学 教授 田中 顕悟
    本研究は、自衛隊員とその家族へのソーシャルワーク実践に関し、他国のMilitary Social Work(MilSW)の実践・研究実績の整理・分析を進め、ソーシャルワークを基盤とした我が国独自の隊員・家族支援に関する試論構築の一助とすることを目的とする。本研究により、各国の情勢に応じたMilSWの国際的傾向の一端が明らかとなったが、今後はそれらを踏まえ、隊員・家族支援に関する我が国固有の理論・実践・専門職養成体系等に関し検討を進める予定である。
  • テーマ 「看護師が実施するセクシュアリティに対する治療的コミュニケーション」
    発表者/ 聖カタリナ大学 教授 三木 佳子
    病や障害は性機能障害のまねくことが少なくない。治療は性機能障害の改善に焦点があり、性機能障害は男性特有であるとする考えが根強い。しかしながら、男女を問わず、当事者の悩みの本質は、パートナーとの関係性や愛される存在価値の喪失感にある。このような悩みに対して、熟練した看護師はSubjective Sexual Well-beingの方向に導く治療的コミュニケーションを展開している。熟練した看護師の治療的コミュニケーション技術について解説する。
  • テーマ 「大学と地域のスポーツを通じた連携-北条地区住民の意識調査より-」
    発表者/ 聖カタリナ大学 助教 大城 卓也
    聖カタリナ大学が中心となって地域を活性化させるために必要な健康・スポーツ活動について北条地区の住民にアンケート調査を実施した。本研究では、その調査結果報告と今後、聖カタリナ大学の資源をどのように北条地区へ
    還元していくのかについて考察する。

《第4回 12月18日(金)  11:00~13:00 第1会議室》

  • テーマ 「愛媛県今治市造船業と外国人技能実習生の現状について」
    発表者/ 聖カタリナ大学 准教授 大久保 元正
    四国の中でも愛媛県は、外国人労働者数に占める技能実習生数の割合がトップであり、その多くが東予地域の製造業界に所属している。この傾向は今後も続くと見られるが、東予地域の実習生事情について本格的に調べた研究はまだないと思われる。そこで今回、主に東予地域で多くの実習生を受け持っている監理団体や、今治市の造船会社への聴き取り調査内容の一部を基にして、現状の一端を垣間見たいと思う。
  • テーマ 「協同学習モデルを適用させた情意・社会的領域の学習成果に対応したダンス授業の在り方
    発表者/ 聖カタリナ大学 准教授 栗田 昇平
    ダンスの授業が必修化されて久しい。必修化の背景には、現代社会において重要とされている情意・社会的領域の学習成果への期待があったが、これまでのダンス授業研究では、そのようなニーズに対する有効な手立てが検証されてこなかった。本研究では、協同学習モデルを適用したダンス授業を実践し、その効果とプロセスを検証することにより、情意・社会的領域の学習成果に対応したダンス授業の指導及び学習の在り方を明らかにすることを目的とした。
  • テーマ 「海外職場で働く人たちの支援プロセスの研究」
    発表者/ 聖カタリナ大学 助教 有吉 美恵
    グローバル化の波に乗って,企業は海外進出を続けている。しかし,使用言語や文化,価値観の違いなどにより,海外で働くことは就労者にとって大きなストレスがあると言われる。人が新たな環境に適応するには,個人の能力や活動によるのみならず,周囲の人々とのやり取りによって,援助者が何らか支援的な作用を及ぼすことが重要であると考えられる。本研究は,海外就労者にインタビュー調査を実施し,適応に関する要因について検討した。

 《第5回  1月27日(水)  16:30~18:30 第1会議室》

  • テーマ 「幼児期に日本の伝統的な出汁の味を体験させる意義 ~幼児教育現場でのかつお節削り体験活動を通して~
    発表者/ 聖カタリナ大学短期大学部 講師 戸井 和彦
    乳幼児期に形成された味覚はその後の食生活に大きな影響を与える。和食を支える出汁のよさを長年に渡って伝える活動をしてきた。昨年度、8つの園で出前授業をさせて頂き、かつお節削り体験、みそ湯とみそ湯に削ったかつお節を入れたものを飲み比べる体験などを行った。実施後の保育者や保護者のアンケート、幼児たちの反応などを定量的、定性的に分析し、その意義や今後の在り方について提案をする。
  • テーマ 「内観療法が心理的な側面に及ぼす影響について」
    発表者/ 聖カタリナ大学 助教 田村 優佳
    非行・反社会的問題は複雑化しており、要因も様々であると考えられているが、内観療法を実施することで、心理的に好ましい変化が見られている。そこには内観療法がどのような影響を及ぼしているのか調べてみることで、今後の非行少年に対する支援はどのようなものが望ましいかに目を向けて考察したい。
  • テーマ 「体験的認識法を援用した自己実現への出発 ~Jリーグ入りを果たしたK君との振り返りより~
    発表者/ 聖カタリナ大学 教授 桂 和仁
    本学への採用にあたっての模擬授業に選んだ思い入れのあるテーマである。何年も前であるが、Jリーグ入りを果たしたK君との面接を振り返ってみた。当時、K君も私も“体験的認識法”について知らずにいた。しかしながら、面接記録を読み直しているうちに、K君は見事に一人で体験的認識法の6つの段階を踏んで「サッカーで飯を食っていく」という夢を掴んだように思える。本フォーラムでは、アメリカのヒューマニスティック心理学研究所所長であるC.Eムスターカス博士が開発した体験的認識法と、K君の発話を簡単に紹介し、この方法の援用可能性について論じたい。

 《第6回  2月10日(水)  13:00~15:00 第1会議室》

  • テーマ 「臨床的対人援助のための脳科学の基礎知識」
    発表者/ 聖カタリナ大学 教授 坂原 明
    近年の脳科学の研究において人の心理と行動に関わる脳の機序が明らかになりつつある。そして、これらの研究から得られる知見は、心理学の多くの研究を進めていく上で、今後、考慮が必要な情報になってくると考えられる。発表者は、これまで心理学の分野の中でも臨床心理学的対人援助に関する研究を行ってきたが、この分野の研究を進める上で理解と考慮が必要と考えられる脳科学の知見について整理し、発表を行う。
  • テーマ 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を育む指導の在り方検討-E県 N市の保育活動を事例としてー」
    発表者/ 聖カタリナ大学短期大学部 助教 谷口 聖
    本研究ではある認定こども園における「10の姿」を取り入れた実践を事例分析することで、その成果と課題を検討した。「10に姿」が示されてから現在まで、その活用について様々な園が試行錯誤をしていることから、本研究によって実践例の蓄積に貢献し、ひいては「10の姿」の理論的な検討に対する示唆を得ることを目指した。結果として, 園の実践を記録したドキュメンテーションから「10の姿」の内容 が達成され、加えて日々の保育や教育の中で「10の姿」意識した保育者の援助が極めて重要であることも示唆された。
  • テーマ 「こどもの貧困に抗する教師の実践について
    発表者/ 聖カタリナ大学 助教 高橋 美央
    昨今、我が国では子どもの貧困対策が喫緊の課題となっている。「子どもの貧困対策に関する大綱」(2014)にて「学校プラットフォーム」構想が提唱され、教育と福祉の協働による包括的な支援体制の構築が求められることとなったが、先行研究では多くの課題が報告されており、貧困対策における教師の役割はいまだ模索段階にあると言える。そこで本研究では、貧困に抗する実践を志向する教師を対象に質的調査を行った。今回は、調査から明らかになった実践の諸相と過程、貧困対策の課題を報告する。